M-1 2001優勝 中川家の決勝予選漫才を文字起こし
漫才の頂点を決める大会「M-1グランプリ」
優勝者の決勝予選漫才を文字起こししています。
2001年は「中川家」さんです。
ボケ:剛さん(剛)
ツッコミ:礼二さん(礼)
【吉本興業所属】
中川家漫才
礼:はいどーもよろしくお願いします
剛:どーもよろしくお願いします
礼:まぁでも中川家と言いまして兄弟で漫才をやってるんですけどね
剛:やってますけどね
礼:まぁゆーてもね、最近まぁあの巷では危険なことが多いですからね
剛:多いですよ
礼:皆さん気ぃつけてくださいよ本当に
剛:気をつけてくださいホンマに
礼:特に電車なんか乗ってますとホームですわ
剛:うん
礼:ねぇ駅員さんよく言うてますやん「あっ駆け込み乗車おやめください」
剛:「あっ駆け込み乗車おやめ下さい」
礼:勝手にやらんでえーねん
剛:やらしてくれよホンマに
礼:俺が喋ってんねんから、駆け込み乗車おやめ下さいって
剛:おぅ
礼:で駆け込み乗車でそのまま電車に乗れたら良いんですよ
剛:まぁね
礼:これがまた乗られへんかった時が恥ずかしい、乗ろう思って乗られへんかった時ね
剛:だいたい多いねぇああいうのはねぇ
礼:多いねぇ、やっぱ年配のサラリーマンなんか多いですわ
剛:うん
礼:なんか頭の毛もハゲ散らかして
剛:ハゲたのにまだ散らかすの
礼:えーやないか、そこまで言わんでえーねん
剛:どんなやねん
礼:で、そういう方が乗ろう思って乗られへん、あれ恥ずかしい
剛:トゥトゥントゥトゥーン x 3(電車の走行音)
礼:何で走ってんねん!
剛:乗られへん方やろ?
礼:おかしいがな、乗ろう思って乗られへんかった!
剛:乗られへん方やろ!!
礼:それやったら乗らんとこって思うやん!
剛:乗られへん方やろ!!!
礼:何をムキなってゆーとんねん!ちゃうって乗ろう思って乗られへん…
剛:乗られへん方やろ!!!!
礼:うるさいなぁもう!
剛:プルルルっ、プシュ(ドアの閉まる音)
礼:早い早い
剛:うるさいなぁもう
礼:うるさいじゃないねん「乗ろう思って乗られへんねん」
剛:乗られへん方やろ
礼:それやったらあー次の電車にしよって思うよ
剛:乗られへんかったやろ
礼:いや乗られへんかったけど、乗ろう思って乗られへんゆーてんねん
剛:プルルルルプシュ
礼:(ドアが閉まり乗れない動作)
剛:プシュープシュー
礼:(ドアが一瞬開くも乗れない動作)反対側が開く小田急新宿駅か
剛:んー(電車の音)
礼:電車の音はええねん、新型の音はマンーガンーシーや、わからんことするな、まぁ危険なこと多いですよ
剛:まぁ多いですよね
礼:まぁ家ん中おってもそうですよね危険な映像ゆうのが流れてきますからね
剛:最近よう流すなぁあれ「危険な映像」とかゆうて
礼:そうそうそう年に2回くらい
剛:「決定的瞬間」
礼:俺が言うねんそれは全部お前は、決定的瞬間ね、スクープ99とかでやってますからね
剛:今度2002や
礼:まぁ2002や、そりゃわかっとるわ
剛:怖いよあれは見んの怖いのに聞くのも怖いでしょあれ
礼:まぁまぁ確かにそーやけどあーいうので1番多いのは川の事故です
剛:川の事故ね
礼:あんなん怖いでしょうホンマ
剛:1番怖いですよね
礼:僕あーゆうの実際見たことあるんですよ
剛:えっ!
礼:あーもうびっくりしたお前ほんまに
剛:見たことあんの?
礼:そう見たことあるんですよ
剛:水難事故
礼:えー水難事故
剛:川の事故
礼:川の事故。台風の次の日でね、犬を飼うてるから河川敷を散歩しとったんですよ
剛:犬
礼:ほんなら犬が急に川のほう向いて吠えだしよるんですよ
剛:ワンワンワンワン
礼:えーねんだから、お前は
剛:うん
礼:ワーって吠えるからうわっなんやろっと思ってバッてみたら
剛:ワン
礼:お前見んでえーねん
剛:ちょっちょっ
礼:お前は見んでええ
剛:ちゃうの
礼:お前こっから入ってくんな、でパッと見たんよ
剛:うん
礼:ほな子どもが溺れてるんです
剛:ブクブクブク…(溺れる形態模写)
礼:そんなんえーねんえーねん
剛:助けてブクブク…(溺れる形態模写)
礼:助けてやあらへん、これはヤバイ思て
剛:うん
礼:とりあえず川岸まで行ったけど川の流れが速いし
剛:うん
礼:僕も入ったら死んでまうからやね
剛:うん
礼:だけど子どもの流れと一緒に僕は岸から応援してた
剛:応援しとった
礼:大丈夫かー!助けたるからなぁ!
剛:大丈夫かぁ?
礼:大丈夫かー!
剛:クロール使われへんかお前?
礼:誰やねんお前!お前関係あらへん入ってくんなゆうてんねんだからお前は!
剛:うん
礼:でバーってゆうとったんやほな川の流れが上手いこと言ってな
剛:うん
礼:子どもが川岸まで来てん
剛:うん
礼:で子ども抱えて一言言うてね
剛:ビショビショやな
礼:そんなこと言うかお前!濡れとんねんビショビショに決まっとるやないか
剛:心臓マッサージか
礼:俺がすんねんそれは!心臓マッサージガーっやったら水をピュっとだした
剛:ピュっとだして
礼:したら「あーあー」って何か言いたそうにしてる
剛:うん
礼:大丈夫?大丈夫か?落ち着けよ!大丈夫やからな!
剛:大丈夫か?とりあえずあのコップ一杯の水飲め
礼:たらふく飲んどんねん
剛:すーっとすんねん
礼:すーっとせーへんわこれはヤバイわ思うてね
剛:うん
礼:とりあえずこのままずっとやっとったほんで救急車呼ばなアカン
剛:ピーポーピーポー
礼:早いねん来るのがまだ
剛:あーそうか
礼:まず呼んで119や、すいません救急車1台お願いしますゆうてね
剛:ピーポーピーポー
礼:すいませんこっちですこっちですこっちこっち…
剛:ピーポーピーポーアーオーアーオー
礼:なんで通り過ぎんねん
剛:お?(野次馬のような動作)
礼:お?やあれへん
剛:ドップラー効果
礼:ドップラー効果やない
剛:んー(車をバックする音)
礼:バックの音はえぇ、で僕は子どもを抱えて救急車へ…(舞台袖に向かう)
剛:(礼二についていく)
礼:何でお前くんねん!こんでええゆうてんねん入ってくるなゆうてんねん
剛: バン!バン!(救急車を開ける動作)
礼:そんなんえーねん救急隊員がやんねんから
剛:ゴー(タンカーを引く動作)
礼:ゴーやあれへんがな
剛:バン!あいてて(トランクを閉めて指が挟まる動作)
礼:訳のわからんことをするな、で病院ですわ病院!
剛:病院行ったんや
礼:病院行ったんや
剛:うー(救急車を運転する動作)
礼:うーってお前は運転せんでええねん俺の話入ってくるな、で集中治療室
剛:集中治療室
礼:ICU
剛:ICU
礼:そう電気がピットついてね
剛:ピットついて
礼:ほんなら治療が始まってる
剛:バンバーン(扉の動作)
礼:そんなんえーねん扉とかどうでも細かいこと
剛:ぴっぴっ(心電図のまね)
礼:もうえーねんそんな細かい
剛:ぴっぴっ
礼:どーでもええねん
剛:ぴーっ
礼:死んどるやないか!死んでもうてるやないか
剛:ぴっ
礼:どないやねん!ぴーぴーぴーやあらへんがなホンマに
剛:なんや
礼:で僕はずーっと願っとったんです
剛:願っとった
礼:大丈夫かなー大丈夫かなー思ったら
剛:うん
礼:ほんだら集中治療室の電気がパッと消えた
剛:消えた!
礼:そしたらお医者さんが出てきはったんですよ
剛:こんな感じやな(舞台端に移動し先生役になる)
礼:先生、子どもは大丈夫ですか?
剛:あっ私は耳鼻科担当で
礼:出てこんでえーやろ何しに出てくんねん耳鼻科担当で
剛:すいませんどこでしたっけ?
礼:どこでしたっけねあらへん廊下に決まっとるわそんなもん
剛:あーそうですか
礼:そうそうとりあえずねまぁまぁ後で警察と消防署から感謝状
剛:ありがとうございます(感謝状をもらう動作)
礼:だから出てこんでえーねんいちいち出てくんな
剛:なんやねん、お前の話なんか一個だけ不思議ある
礼:なんやねん
剛:犬どこいった?
礼:もうええわ
時間:4分24秒
ボケ数:43個(赤字部分)*1 ※1回 / 約6秒のペース
文字起こしした感想
一定間隔でコンスタントにボケるというよりも、
1度ボケたらそこを掘り下げて何発も連続でボケるというジェットコースターのような漫才のように感じました。
勉強になります。
*1:主に礼二さんのツッコミが入った所をボケとしてカウント